
IBTとは?利用するメリットと社内研修など活用例まとめ
近年、オンラインの試験方式としてIBTという名前をよく見るようになりました。しかしオンラインの試験方式にはCBTなどがあり、ほかの試験方法との違いがよくわからないかもしれません。
この記事では、IBTとは何か・ほかの試験方法との違いは何か・導入のメリットや導入例について解説します。受験する側よりは、主に実施する側からの視点でまとめます。社内研修などにも活用できるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.IBTとは
- 2.IBTとCBTとの違い
- 2.1.IBTを活用しやすい試験
- 3.IBTのメリット
- 3.1.実施する側から見たメリット
- 3.1.1.➀試験実施に関する労力・コストを大幅にカット
- 3.1.2.②試験問題の漏洩のリスクがほとんどない
- 3.1.3.③試験中のカンニングのリスクがほとんどない
- 3.1.4.④出題内容を直前まで調整することが可能
- 3.1.5.⑤試験後のデータ管理が容易
- 3.2.受験者から見たメリット
- 4.IBTのデメリット
- 5.IBTの導入例
- 5.1.導入例➀大手企業コンプライアンス研修+試験
- 5.2.導入例②大手企業担当者研修+教育
- 5.3.導入例③大手企業担当者試験
- 5.4.導入例④各種資格
- 6.CBT導入ならイー・コミュニケーションズにご相談を
IBTとは
「IBT」とは、「Internet Based Testing」の略称で、インターネットを利用した試験の総称です。コンピュータのほかタブレットやスマホなど、いろいろなデバイスを利用して受験できる試験です。
コンピューターの設備がある会場でなくとも、インターネットの環境があれば家庭でも受けることができます。そのほか、自社のスペースや設備を使ったテストにも活用できるのが特徴です。
IBTとCBTとの違い
IBTとCBTとでは、受験者が使用するデバイスが異なります。CBTは「Computer Based Testing」の略称で、オンラインのテストの中でもコンピューターを使うテストを指します。とくにテストセンターなどの会場を借りて行う「会場型CBT」を、「CBT」と呼んでいるケースが多くあります。
しかしIBTは先述の通り、受験者が使用するデバイスは問いません。インターネットを使っていれば、コンピューターを使っていなくてもIBTと呼ばれます。さらにIBTは、テストセンターなど会場で受験することも、自宅など会場以外で受験することも指します。
実施する側から見ると、IBTの方がコストや労力のカットが可能で実施のハードルが低いと言えます。具体的には、会場型のCBTはテストセンターの手配や費用が必要となる場合があります。しかしIBTは自社のスペースや設備を使って実施できます。そのためテストセンターや試験官などの手配や費用が不要です。
IBTを活用しやすい試験
IBTを活用しやすい試験の形式としては選択問題が挙げられます。詳しくは後述しますが、IBTは受験者ごとに問題をランダムに出題したり、自動採点を行ったりすることが可能です。選択問題では、それらのメリットを最大限に享受することができます。もちろん、選択問題のほかにも論述問題・動画や音声を使った問題も可能です。
試験の内容については、問題の内容がある程度決まっていて、繰り返し実施する試験に向いています。例えば以下のような試験が挙げられます。
各種社内研修
社内昇進試験
資格試験
以下、1つずつ具体的に見ていきます。
➀各種社内研修
各種の社内研修はIBTを活用しやすいと言えます。具体的には、次のような研修が挙げられます。
コンプライアンス研修
新入社員研修
ハラスメント研修
業務上の知識の研修
これらの研修は、内容がほぼ決まっており、定期的に行うものばかりです。こういったビジネス上必要な知識の定着にIBTは有益です。
IBTの中には、eラーニングと連続性があるサービスもあります。そういうサービスなら試験結果を次の学習にフィードバックすることも可能で、学習効果がさらに高まります。
②各種社内試験
研修だけでなく、社内試験にもIBTは適しています。具体的には、昇進試験や社内資格試験などが挙げられます。どちらも定期的に行われる試験です。
また、合否を決める試験だけでなく、知識の習熟度を判定する試験としても活用可能です。
IBTのサービスの中には、受験者のマイページが用意されているサービスもあります。そういうサービスなら、過去の試験結果などを自分で管理することが可能です。自分の結果の推移を手軽に確認でき、モチベーションの維持や向上につながります。
③資格試験
IBTは多くの資格試験でも導入されています。コロナ禍をきっかけとするオンライン化の進展などにより、今後もその流れは加速していくと予想されます。
受験生は自宅で受験も可能で、利便性が高いというメリットがあります。利便性による受験しやすさは受験者数アップにつながり、資格の信頼感や運営の安定につながります。
より厳重なカンニング対策がなされていれば、資格試験にも活用可能です。カンニング対策専門のサービスもあり、IBTの中にはそういった対策サービスと連携可能なものもあります。
IBTのメリット
次に、IBTのメリットについてまとめます。メリットは、実施者側から見た場合と受験者側から見た場合とに分けられます。ここでは、それぞれの立場からIBTのメリットについてまとめます。
実施する側から見たメリット
まず実施者から見たメリットについてまとめます。具体的には、次のメリットが挙げられます。
試験実施に関する労力・コストを大幅にカット
試験問題の漏洩のリスクがほとんどない
試験中のカンニングのリスクがほとんどない
出題内容を直前まで調整することが可能
試験後のデータ管理が容易
それぞれのメリットについて、具体的に見ていきましょう。
➀試験実施に関する労力・コストを大幅にカット
まずIBTなら試験実施に関する労力・コストを大幅にカットすることができます。
IBTはオンラインで行う試験のため、あらかじめ問題・解答用紙を印刷したり会場へ輸送したりしておくといった準備が不要です。試験終了後に問題用紙や解答用紙を回収する必要もありません。選択問題については採点も自動的に行われ、採点や集計、合否の判定の手間や時間もかかりません。
さらに軽く先述した通り、自社で行う場合は試験会場や試験官を手配する必要がありません。紙を使用した試験に比べ、あらゆる面で人員を大幅に削減することができます。
このように、テストの実施にかかる費用・労力が大幅に削減可能となります。
②試験問題の漏洩のリスクがほとんどない
IBTは、試験問題漏洩のリスクがほとんどありません。受験者のデバイスに問題のデータが残らない仕組みになっています。試験後に問題が流出・漏洩することがないため、良問を残して繰り返し使うことが可能となります。
また、解答用紙の紛失といった問題も起こりません。答案は個人情報に当たりますが、紛失によってそれが漏洩することもありません。
さらに、データ暗号技術を利用しているサービスなら、試験前後含めたセキュリティ面も安心して使用できます。
③試験中のカンニングのリスクがほとんどない
IBTは試験中のカンニングのリスクがほとんどありません。カンニングの問題は実施者にとって気になる点ではないでしょうか。しかし様々な対策を講ずることが可能です。
まず一般的にIBTに実装されている機能として、個々の受験者に違う問題をシャッフルして出題したりランダムに出題したりできるほか、選択肢の順番を変えたりする機能があります。この機能により、他の受験者の解答を盗み見たとしても同じ問題の同じ選択肢とは限らないことになります。つまりカンニングしても無意味ということになります。
また、コンピューターに搭載されたWebカメラを使って挙動をチェックするサービスもあります。AIを使った解析ができるなど、多数の受験者にも対応可能です。
とくに、試験時間に対して問題量が多めであればそもそもカンニングしている時間の余裕がありません。試験のスタイルを工夫することでも対策が可能です。
④出題内容を直前まで調整することが可能
IBTでは、研修内容・試験問題など、時流を反映したリアルタイム・スピーディーな調整が可能です。印刷などの事前準備が不要なため、試験直前まで問題の変更や修正が可能だからです。
この特質により、最新の情報の研修・試験が可能になります。日進月歩の分野や時事的な内容の試験などには非常に役立ちます。
⑤試験後のデータ管理が容易
IBTは試験後のデータ管理も容易です。採点も自動化されると言いましたが、結果の集計と管理もワンストップで行うことができます。たとえば受験者のデータ抽出などがすぐにできます。それにより一定条件を設定して、再試験が必要な受験者だけを抽出して再試験の連絡を行うといったことも容易に行うことができます。
IBTのサービスの中には、受験者本人が自分の成績を管理できるサービスもあります。社内での活用には、そういったサービスが特に適しています。
受験者から見たメリット
次に受験者側から見たIBTのメリットについてまとめます。いろいろな点で利便性が高いことが挙げられます。
まず、受験日時の設定の自由度が高いことがあります。自宅でも受験できる方式なので、実施者側は受験の日時を数多く用意することが可能です。そのため受験者は多くの選択肢から希望に合わせて日程を選ぶことができます。
時間だけでなく場所の自由度も高くなります。オンラインの試験なので、遠くまで出向く必要がありません。会場で実施される試験でも、IBTは紙を使用した試験よりも多くの会場が用意されている傾向があります。
また申し込みから受験まで比較的短い時間で済みます。さらに自分の試験結果や変遷を保存・閲覧できるサービスもあります。
IBTのデメリット
では、IBTにデメリットはないのでしょうか。
よく言われるデメリットに、カンニングの可能性がゼロではないということがあります。確かに、試験官の巡回などが行えないため、そのリスクはあります。試験に求められる厳格さによりますが、カンニング対策には監視機能が充実しているサービスを選ぶことがポイントとなります。
また自宅で受験する場合、会場での試験よりも騒音などアクシデントが起こる可能性が高いこともあります。実際、自宅でリスニングのテスト中に電話が鳴ったという例もあります。ただしこれは実施側というよりも受験者側にとってのデメリットで、受験者が対策するべきことでしょう。また自社で行う社内試験ならこのリスクは低いとも言えます。
IBTにもデメリットはありますが、充分対策は可能です。そもそも紙を使用した試験にもデメリットはあります。自社の場合メリット・デメリットのどちらが大きいかで判断するべきでしょう。
IBTの導入例
では、IBTはどのような企業がどのような目的で使用しているのでしょうか?次に、IBTの導入例について当社の場合を中心に紹介します。
弊社のIBTのサービスは「Master CBT+」です。「CBT」と名前にありますが、インターネットを使用した試験プラットフォームです。コンピューターに限らずタブレットやスマートフォンでも受験することができます。以下でご紹介するのは、同サービスの導入例です。
導入例➀大手企業コンプライアンス研修+試験
某広告・人材サービス企業様に、コンプライアンス研修と効果測定の試験のために「Master CBT+」を導入いただいています。全従業員が試験対象者となる大規模な社内試験です。
導入により事業単位のコンプライアンス関連教育を一元化、さらに入社日や職種で異なる種類の試験を配信、合否自動判断後の結果・再試験通知、さらに各試験の設問内容更新などにご活用いただいております。これらの運用管理を少人数で実現され、コスト削減にも成功していらっしゃいます。
導入例②大手企業担当者研修+教育
某日薬品企業様が、担当者向けの専門知識の研修と教育のために「Master CBT+」を導入されました。研修前後にテストを実施し、知識が定着するよう工夫されています。
テストのほかにもいろいろな手段を講じることで、さらなる定着・習熟に役立てていらっしゃいます。たとえば映像コンテンツを配信したり結果を関係各所にフィードバックしたりなさっています。受講者の満足度も高く、知識向上にも寄与しているとのご評価をいただいています。
導入例③大手企業担当者試験
某日薬品企業様の担当者向け試験に「Master CBT+」をご利用いただいています。オフラインで使用でき試験中の通信トラブルとも無縁だった点が弊社サービスを選んだポイントだったといいます。
また最新の知識も必要な試験のため、直前で問題内容を最新のニュースに合わせて調整できた点もご評価いただいています。さらにテストだけでなくアセスメントとしても活用、今後の教育にも役立てていくご予定とのことです。
導入例④各種資格
一部の資格試験では、自宅での受験も可能なIBTが導入されています。またIBTの中でも会場型のCBTは数多くの資格が対応しています。「Master CBT+」と連携している弊社の会場型CBTサービス「J-Testing」をご利用いただいている資格試験を、ごく一部ですがご紹介します。
相続診断士
DTP検定
ウェブ解析士認定試験
ビジネスマネージャーBasicTest®
損害保険仲立人試験・生命保険仲立人試験
医科医療事務管理士®技能認定試験
プロダクトデザイン検定
Vectorworks操作技能ベーシック認定試験
このように、多くの資格試験で活用されています。
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